食べても太りにくいクッキーで「働く」を提供する!波乱を経験し、決意した起業

レッド

written by ダシマス編集部

雇用にもさまざまな形態が増えた昨今、本業の傍らで行っていた副業に力を入れて、本格的に独立を目指すという方も少なくないのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、『食べても太りにくいクッキー』で起業を目指す中田帆南さん。
本業として、業務委託で人材紹介する会社に勤めながら、自身の大好物であるクッキーに関わるビジネスの立ち上げを進めています。彼女が副業を始め、独立を目指すのにはどんな理由があるのでしょうか?早速お話を伺ってみました。

中田帆南(なかたほなみ)

中田帆南(なかたほなみ)

1992年7月27日生まれ。大阪生まれ、大阪育ち。中高は女子校で過ごし、同志社大学を卒業。クッキー大好き。サーキュレーションでは働く傍、クッキービジネスを立ち上げ中。自身の存在目的は”働くをつくる”こと。

甘くて安全!1日50枚の味見をしても太らない自作のクッキー

ー中田さんが事業化を目指している『食べても太りにくいクッキー」とは一体どんなものなのでしょうか?

中田:これがそのクッキーなのですが、『特定保健用食品』の認定を受けるために色々と準備を進めているという段階なので、食べても“太らない”とは断言できません。ただ、味見でものすごい量を食べていますが実際太らなかったので、食べても太りにくいことは間違いないです。

ー太りにくい、となると甘くないんですか?

中田:いえ、めっちゃ甘いんで食べてみてください。

ー本当だ!めっちゃ甘い!罪悪感を感じるくらい甘いですね。

中田:そうなんです!私はクッキーが大好きなのですが、だからこそ甘くないとイヤなんです。いつもダイエットをしていても、クッキーを食べてしまって挫折してきました。バターや砂糖をいっぱい使うクッキーはまさに“カロリーモンスター”。

それで、どうしたら太らないでクッキーを食べることができるかを考えて、人工甘味料を使ってみたり・・・でも本当においしいクッキーはなかなか作れなくて。試作を繰り返して1年程経ち、やっと今のクッキーが出来上がりました。

ー材料には何を使っているのでしょう?

中田:「ホワイトソルガム」を使っています。食物繊維が豊富で、且つグルテンフリーで血糖値が上がりにくい材料です。小麦粉の代用品として海外ではけっこう流行っているんです。普通のお菓子の材料が売っているところで手に入りますよ。あとは、メープルを使っています。メープルも砂糖と比べて血糖値が上がりにくいです。

お菓子は作れない。でも好きなことで起業したい

ー中田さんは元からお菓子づくりが趣味だったのでしょうか?

中田:いえ、全然そんなことはありません。私は新卒で大手印刷会社に就職して営業をしていました。そのあとは、ダイナマイトの製造会社に転職して、今は『サーキュレーション』という会社で人材を業務委託で紹介する仕事をしています。

ー経歴は全くお菓子に関わっていないんですね。

中田:はい。でも起業したいという思いは持っていたので、やるなら自分の好きな「クッキー」に関わるビジネスをやりたいと思っていました。ターゲットは私のように甘いものが大好きで、オフィスワークをしていたら、ついパクパク食べちゃうような人。そういう人でも罪悪感なくたくさん食べれるクッキーを作りたかったんです。

お菓子作りの知識も全くなかったので、もちろん私ひとりの力ではなくパティシエさんにアイデアを出してもらったり、いろんな方の協力を得てかたちにすることができました。

ー競合は多いと思いますが、中田さんのクッキーの一番の特徴はどんなところでしょう?

中田:特徴としてはすごく甘いことと、安全ということです。材料は人工甘味料を使わず自然のものを使っています。小麦粉、バター、牛乳なども使っていないので、アレルギーのある人でも気にせずに食べられます。グルテンフリーのクッキーとなると、パサパサしたものも多いですが、そういった部分も解消しました。

「太らない」というのは、まだ自称ですが、特許を取得して科学的根拠をもって言えるようになりたいです。

ー独立へ向けて、行動を起こすきっかけは何かあったのでしょうか?

中田:私、独立したいと言いながら、何も行動してなかったんです。

でも、若くして独立をし日訪旅行(インバウンド)に特化した旅行会社を立ち上げ、成功されたという方に出会い、その方が「言ってるだけで何も動いていない」ということに気づかせてくれて、それがきっかけで行動を起こす勇気を持つことができました。

まず私が夢中になれることは何かと考えて、クッキーが浮かび、その後1年間夢中で商品開発をすることができました。

ー独立したい、という思いはいつ頃からあったのでしょうか?

中田:小さい頃からサラリーマン家庭ではなかったので、就職後は会社員としての生活に違和感を感じていました。でも、どうしても独立しよう!と決めたのはある出来事がきっかけでした。

苦難を経て生まれた「働くを提供したい」という想い

中田:印刷会社の営業をしていた頃、仲の良かった同期の男の子がうつになったんです。すごく優しい子で頭が良くて、おとなしいのでいつも端っこにいるタイプだったのですが、それじゃあもったいないなと思ったので、私は彼をグループワークの司会役に推薦したり、目立つ存在になりようどんどん巻き込んでいました。

ー背中を押していたんですね。

中田:それで、その子は自身で希望を出した拠点に配属になったのですが、その先で上司に理不尽なこともたくさん言われたようで、うつになってしまいました。

私がその報告を受けて会ったときには、げっそりと痩せてしまっていて「もう働けない」と言われました。彼を救えなかったことをすごく後悔していて、もう働けないという彼に、「働く」を提供できるようになりたいと思ったのが、独立を決意したひとつのきっかけです。

実はその後私もうつになりました。突然左半身が動かなくなって、自分でも原因がわからなかったのですが、病院を転々とするとストレスが原因ということがわかりました。
仕事に必死だったので、自分が限界を超えていたことが気づいていなかったです。

このように働くことを諦めた人対して「働く」という選択肢をもう一度提供したいと思い、「自分が独立して叶えたい」、「クッキーのビジネスを通して、働くを提供したい」と強く思うようになりました。クッキーが大好きだから、どんなに大変なことがあっても継続できるとおもいます。

自分の力で生きていく!27歳の決意と覚悟

ー辛い時期に、何か支えとなったものはありましたか?

中田:ちょうど同時期に、婚約破棄を経験しておりまして…。相手の人はうつでまったく笑えなかった私を笑わすためボケまくり、私を幸せにしようと全力で頑張ってくれる人で、そんな彼を心から信じておりました。そのため、彼からのプロポーズも引け式場も予約していました。

でもある日、早朝から車に乗って出かけたとき大きな事故に遭ってしまい、気付いたら病院でした。その事故のせいで婚約破棄になりました。それっきりです。おかしいですよね(笑)。式場もキャンセル、その事故の日以来会っていません。

ーなかなか大変なエピソードですが、笑ってお話してくれてよかったです。

中田:辛い期間を支えてくれたのは彼でしたから、その点は今でも感謝しています。

ーその後、また落ち込んだりはしなかったですか?

中田:そこからは本業であるサーキュレーションの仕事に打ち込みました。
また、当時は結婚して家庭を持って、その傍らでクッキーの事業をできたらいいな、とふわっと考えていたのですが、この結婚がなくなったことで、誰かに頼るのではなく、自分の力で生きていこうと決めました。なので、クッキーに関しても本気で向き合うことができました。

ー逞しいです。でもその決意があってこそ、成功に近づけるのかもしれません。

中田:サーキュレーションに入ったときもこの会社でもう一度本気で働こうと決めていましたが、このことをきっかけにさらに覚悟は深まりましたね。どんなにしんどくても食らいついていこうと思いました。どんどんメンタルが強くなっていきます(笑)。

ーいつまでに結婚したい!などの人生設計はありますか?

中田:昔は絶対に25歳までに結婚したくて、めっちゃ婚活していました。今でも本当は明日にでも結婚したいですよ!(笑)。でも、今後の計画には入っていないです。良い人がいれば、っていう感じですね。

ーそうですね。そればっかりは計画通りにいくとは限らないですもんね。

どん底を経験しても「仕事って楽しいんだ!」ともう一度思うために

ー中田さんが、副業を通して実現したいことは?

中田:一貫してやりたいことは「働く」をつくっていくことです。自分のこれまでの経験を振り返ると、働きたいのに、働けないという同じような状況になっている人を減らしたいと想いますし、そんな人に「仕事って本当は楽しいんだぞ」ということを伝えたいですね。

ー仕事は楽しいともう一度思うには、どんなことが必要でしょうか?

中田:できることや求められることをするのではなく、やりたいことをすることです。
私のクッキービジネスのように、お菓子作りの経験がほぼゼロでも、そこに意志があればできます。挑戦は勇気がいりますが、心からワクワクすることにチャレンジすることです。

ーそういった世界の実現のためにはどうすれば良いでしょう?

中田:もう一度、人と自分を信じることです。私も人を信じれなくなったし、こういった経験を人に話せるようになったのも最近です。理不尽な人たちや、長いものに巻かれる人もいますが、そうじゃない人もたくさんいる、ということを知ることができて、そして、そんな人たちから愛をたくさんもらい、人と自分を信じれるようになりました。

「クッキービジネスをする」と言うと、色んな人が知恵をくれました。パティシエを紹介してくれたり、こんな素材あるよって教えてくれたり、プロモーション方法をアドバイスしてくれたり、デザイナーを紹介してくれたり。デザイナーさんは私と同じ歳の女性で、彼女はデザイナー会社に務めているのですが、副業というかたちで仕事を引き受けてくれました。私の漠然としたイメージから、こんなに可愛いデザインを描いてくれたんです!

ー周囲の人への感謝があるのですね。

中田:はい。一番の感謝はなんといっても家族です。特に母ですね。クッキーで独立するのが夢!と言うと、普通だったら「は?」って思うじゃないですか。
でも、そこを応援してくれて、味見にも付き合ってくれたんです。何枚食べてもらったことか!多くの人が知恵や温かい言葉をくれて、本当に感謝しかないです。

このクッキーを通して色んな人の愛に触れて、仕事に夢中になるってやっぱり素晴らしいことだなって思います。

「誰と働くか」ってすごく大事で、一緒に働く人のことを信じて歩んでいこうと決められたら仕事ってバラ色になるんです。どんなにしんどくても、「この人のために頑張りたい」と思えたり、逆に助けられたり。そういうあたたかい世界を作っていきたいです。

私の最終目標は誰かに「働く」を提供し、その人たちに「仕事って楽しい!」と思ってもらうことです。早くその環境をつくっていけたらと思います。

 

中田帆南さんの活動詳細はこちらから!

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